呉谷充利「志賀直哉上高畑の『サロン』をめぐる考察」(創元社 2003年) |  白樺サロンの会

呉谷充利「志賀直哉上高畑の『サロン』をめぐる考察」(創元社 2003年)

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「志賀直哉、上高畑の『サロン』をめぐる考察」(創元社 2003年)内容について

志賀直哉は奈良高畑に自邸を造っている。昭和4年のことである。これを遡る大正15年、かれは渉猟した奈良、京都の古美術を『座右宝』(大正15年)に編集している。その美意識はこの住宅の重要なモチーフとなって、自ら設計したこの住宅の「サン・ルーム」と呼ばれた一室に結実したと考えられる。
志賀文学は東洋の美との出会いによって、こう言ってよければ、完成される。文学
に表現される精神は、この文学者の生の世界と一つになっている。
『座右宝』は東洋の美への回帰を語る。如拙『瓢鮎図』の深い精神性、池大雅『十便図』の山居と自然、『西本願寺滴翠園・待合』にみる遁世の面持ち、これらはこの文学者の内面世界の投影でさえある。 志賀直哉において、文学、美術、すまいはまさに一体の世界なのである。『 暗夜行路』に描かれる「大山の一夜」はこの東洋の精神世界として現われる。


 
呉谷充利「志賀直哉、上高畑の『サロン』をめぐる考察ー生きられた日本の近代ー」2003年 創元社
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